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ニキーナ

『フランス世紀末文学叢書』が続く。ベネチアの娼婦の物語、といわれたら、興味深々でしょ。。。。
ニキーナ―ヴェネチアの娼婦の物語 (1985年) (フランス世紀末文学叢書〈11〉)ニキーナ―ヴェネチアの娼婦の物語 (1985年) (フランス世紀末文学叢書〈11〉)
(1985/11)
ユーグ・ルベル

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ニキーナ

言い訳を言うと、期待に反してというか、期待が高すぎたのだろうが、この「ニキーナ」はちょっといまひとつであった。と、そこでつっかえたため、これ以降のブログが滞ったのよね・・・

舞台は16世紀初頭のベネチア。古式ゆかしいが、どちらかといえば波乱万丈の冒険活劇。一人の娼婦の人生が軸になっているが、エロスあり、宗教闘争あり、殺人あり・・・ エロスをほじくると、マゾ・サドに同性愛、殺人は陰謀から暴動から暗殺から戦乱。娼婦が善人でなくてもよいのだが、お決まりのように教会関係者が揃いも揃って政治臭く胡散臭い。生きるために娼婦になったニキーナだが、なってみればその性根の逞しさも手伝い、ベネチアきっての娼婦となるが、そのニキーナが生涯追い続けたのは、幼馴染のギド。とそのギドは修道会で神に身を捧げる生真面目な男であるが、どこか頓珍漢でそしてホモの餌食になっていたりする。悪徳枢機卿ベンゾーニはニキーナの宿敵だが、悪人が魅力的だとストーリーは俄然面白くなる。そして、これもお決まりの道化役は、アリヴァベネ。修道士でありながら、破廉恥な所作に無知無教養、粗野で下品、食べることとサボること、そして金に目をキラキラさせるような俗人でありながら、なんとも愛嬌があり、憎めない男。芸術家代表は、ニキーナの愛人となるファゾル。官能的な作品を生み出しながら、放蕩生活を送る風俗を乱す芸術家。

こんな酒池肉林のような腐ったベネチアの一時代は、ルベルの理想形であったらしい。
”生の讃美を目的とするエロチックな芸術は、人間全体を生の饗宴に誘う。だから作家は感覚を軽蔑せず、肉体を蔑視せず、その高貴な部分と恥ずべき部分に区別を設けないのである”

こんなことを語ったらしい作者ユーグ・ルベルの人生もまた「ニキーナ」の世界のようだったらしく、生を謳歌し過激に生き、破綻して果てたという。
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