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飛ぶ教室

小学生の頃、先生に読んでみろと云われて読んだ本。話しの筋も実は覚えていない。ケストナーは学校の図書館に行けば、2冊や3冊絶対にある。そこでの私のお気に入りは「飛ぶ教室」ではなくて、『エミールと探偵たち』の方。岩波少年文庫で読んだんだっけ??
飛ぶ教室 (新潮文庫)飛ぶ教室 (新潮文庫)
(2014/11/28)
エーリヒ ケストナー

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今回読んだのは、なんと出版したてホヤホヤの新しいバージョン。なんとあの池内紀氏が訳している。文庫とはいえ、装画は原書のWalter Trier からいただき、挿画にもある!なんだか嬉しくなって衝動的に千駄木の本屋さんで買って、黒豆が煮える前に読み終えてしまった。これってクリスマスストーリーだったのね。小学生の時に、半強制的に読まされたこの本は、小学生当時は興奮して語る先生の思いとは裏腹に、子供心にはふ~~ん、で終わってしまった記憶がある。先生は何がそんなに面白いというのか??

そのたいして面白くなかった最初の出会いから早40年が経つ。そして当時教師になりたてのホヤホヤだった先生は、今じゃもう定年退職したというが、その新米先生が、この「飛ぶ教室」をみんなに読ませたわけがなんとなくわかった。腕白坊主たちと大人たち、その両方は、その新米先生には理想の姿だったのかもしれない。

もう20年早かったら、あまりにも出来すぎの心温まるこの話しにはそっぽを向いてしまったかもしれない。でもこの歳になるとねえ、そんな出来すぎの話しだってそれでもいいじゃない、と思えるようになるんだな、これが。。。ギムナジウムの寄宿舎で暮らす少年たちはみなそれぞれ欠点を抱えてはいるが、最後は仲間を思いやるいい奴らだし、登場する大人たちは、決して子供の頃を忘れていない。舎監のベク先生(”道理さん”)、元医者で今はヒアノ弾きで廃車になった列車の禁煙車を改造して住んでいる”禁煙さん”。クリスマスに貧乏で帰省するためのお金を送ってもらえなかった少年に、自らのポケットからお金を渡すのってどうよ・・・ とそういう声もあるだろうが、ああ、これがクリスマスなのね、と至極納得した。家族と暮らすクリスマス、日本なら帰省した田舎で迎えるお正月。金がなく、一人侘しく都会で迎えるお正月という図式に、今は同情はされないだろう。でも、本当は本来は、クリスマスもお正月もそういうものなんだよね。

悪人が全く登場しないこの本。油断しているとちょっとウルウルしてしまうが、40年前に私がそうだったように、現代の子供たちだってきっと感動しちゃくれまい。でも、もしおせっかいな先生がいるなら、そして半強制的ではあっても、そのおせっかいのおかげで、もしかしたら半世紀もたった後、子供の頃を懐かしく思い出せることがある。

K先生、どうもありがとね・・・
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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