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映画:ヒトラーの贋札

BSで放送していたので、読書をちょっと脇において鑑賞。
2006年ドイツ・オーストリア製作、2007年アカデミー賞外国語映画賞受賞で、監督はステファン・ルツォヴィツキー
ヒトラーの贋札 [DVD]ヒトラーの贋札 [DVD]
(2008/07/11)
カール・マルコヴィクス、アウグスト・ディール 他

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ユダヤ人迫害に関する書物や映画は沢山あるけれど、これはちょっと毛色の変わったもので、実在の「ベルンハルト作戦」と呼ばれる、ナチスによる贋札作戦に関わった印刷技師アドルフ・ブルガーの「ヒトラーの贋札 悪魔の工房」という原作を元に製作された映画。どこまでがノンフィクションなのかは、よくわからないけれど、毛色の違いはまず、こんなテーマにも関わらず、まるでサスペンス映画のようなテンポで進行して、ハラハラドキドキのスリリングな仕上がりであること。バックに流れ続ける音楽も(収容所映画でこんなに音楽が多彩に使用されているのも異色)オペラにアルゼンチンタンゴ。舞台はユダヤ人収容所なのだけれど、この贋札作りチームは、ある意味ナチスの協力者で、超一流の職人達。真っ白なシーツの柔らかいベッドで眠り、シャワーも浴びることができ、石鹸も支給されているという破格の待遇。

プロの贋札作りのサリー(カール・マルコヴィックス)と、原作者、印刷技師のブルガー(アウグスト・ディール)の二人を軸に話しは展開していく。ブルガーは理想主義者のレジスタンス運動家で、ナチに協力することを拒み、サリーが中心となってポンド札、後に米ドル札の贋札作りの妨害をする。破格の待遇の職人達も、贋札を作れなければ、殺される運命にあるわけで、正義感だの理想だのより生き延びることが先決。そして同じ収容所の壁ひとつ隔てた向こう側では、ユダヤ人たちが意味もなく殺されている。サリーは悪党キャラではあっても、ただの小悪党ではないアウトローで、ブルガーと対立しつつも、生き延びるか正義をとるかのジレンマと葛藤し続け、実際に仲間を守るために綱渡りもするし、決してブルガーをナチスに売ったりせず最後までかばう。

ネタバレまで書いてしまうと、結局ドル札は完成するものの、それと同時にナチスドイツは敗戦を迎え、開放されたサリーはモンテカルロのカジノで、無茶苦茶な賭け方をして偽ドルを使い果たす。貴方はサリー派?それともブルガー派?などというつまらないことは考えず、サスペンス映画だと思って楽しんでしまいましょう。それにしても、ナチスの「ベルンハルト作戦」は史実としてちょっと興味深い。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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