Entries

第四の館

SFには若干の偏見がある。でも発行が国書刊行会だったらいいかなあ・・・ レイフェル・アロイシャス・ラファティもちょっと古め(1914年生 → 2002年没)だからいいかなあ・・・・ 
第四の館 (未来の文学)第四の館 (未来の文学)
(2013/04/29)
R・A・ラファティ

商品詳細を見る
総論としては、やっぱり分類分けってどうでもいいってことだ。「幻想文学」だって、幻想に騙されると、永遠に読みそうになかったし、SFだって何も近未来のドンパッチだけでもなし、あの面白かった「未来のイヴ」だって、一応SFなのよね。そしてこの「第四の館」も、これがSFなの?というくらいSFらしくない。さて、国書刊行会のサイトにいくと、本書はこんな紹介になっている。

とってもいい目をしているが、おつむが足りない若き新聞記者フレッド・フォーリー。彼はテレパシーでつながって人間を越えた存在になろうとする七人組の〈収穫者〉にそそのかされ、さる政界の大物が五百年前に実在した政治家と同一人物ではないかと思いつく。この記事を調べるうちに、フォーリーはいくつもの超自然的友愛会が世界に陰謀をめぐらしていることを知り、熾烈な争いの中に巻きこまれていく……世界最高のSF作家、ラファティによる初期傑作長篇がついに登場。善と悪、現実と幻想、正気と狂気が入り乱れ、奇天烈な登場人物が大暴れする唯一無二のラファティ・ワールド!

初ものなので、ラファティワールドがそもそもどんなものかわからないが、”人間がいかに神になるか” という話しでありながら、なんだか珍妙な人ばかりがでてきて、かと思うと、ラファティのマニヤックぶりも随所に見られ、分野はSFで括られてしまったけれど、これは人類への警鐘なんだろうか?それとも、ただの可笑しな面白い話しなんだろうか?と初ラファティの私はちょいと戸惑っている。

七人組「収穫者」は編み上げた脳波網でフレディに接触し、彼を操ってさる大物政治家カーモディを探ろうと企んでいるのだが、フレッドは逆にその脳波網を利用して、カーモディが500年前に実在した人物と同一であることをつきとめようとする。このカーモディは別人と入れ替わりながら復活する「再帰人」なのだが、塩水入りの水槽にアタマを突っ込むという奇態を演じてくれるし、「守護者」は、超世界で超自給自足生活を送り泉に潜む触手怪獣をぶん殴ってる。「革命家」は辺境の地で戦い(には、見えない)を繰り返し、その演説は真面目なのか大法螺吹きなのか、よくわからん。おつむが足りない若き新聞記者と言われているフレッドだが、フレッド以外の人は珍妙過ぎて、フレッドがまともなのよ。

ラファティはアイルランド系のアメリカ人で、カトリック主義者だそうだが、ベースとなっているのがカトリック神秘主義らしい。この辺りの寓話性はちょっと私にはわからない。なんだがよくわかんないなあ・・・ と思いながらもスピード感、リズム感がよいので、案外スラスラと読めてしまい、わかんないなりにわかるあたりが、何とも不思議。最後に壮大に盛り上がる展開ではなく、細かい描写が楽しいタイプだな。しかし一番気に入ったのはこのスピード感。

ラファティはどうも短篇が上手いらしい。次回は短篇に手を出してみよう。
関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/590-69844c56

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - -
- - - - 1 23
4 5 6 7 8 910
11 12 13 14 15 1617
18 19 20 21 22 2324
25 26 27 28 29 30 -

全記事

フリーエリア

フリーエリア