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モンキー・ワイフ―或いはチンパンジーとの結婚

1977年というから今となってはかなり古い本。チンバンジーと結婚したイギリス人の物語。コメディではなく至極真面目な純文学。序文=西脇順三郎、跋文=安岡章太郎という何とも豪華なバックアップだ。

モンキー・ワイフ―或いはチンパンジーとの結婚 ジョン・コリア
monkey wife

物語はアフリカから始まる。イギリス人のファティゲイ氏はお人好しだが気が利かない学校教師。そんな人間様に恋をしてしまったのが、チンバンジーのエイミス嬢。エイミス嬢は可憐で知的。人間の(英語ね)言葉も覚え、読むこともできるようになってしまう。そんなエイミス嬢を連れて(あくまでペット扱い)で花の都ロンドンに帰還。そこにはファティゲイ氏の婚約者、エミリーが待っていた。エイミス嬢はあくまで女中さん。そして婚約者エミリーは未来の女主人。英国の伝統的で旧道徳が持つ偽善と偏見と因習の典型のようなエミリーとファティゲイ氏はなんだかそりが合わないし、可憐で知的なエイミス嬢は健気にもファティゲイ氏に尽くすものの、どうあがいてもチンパンジーの使用人。

が、ファティゲイ氏とエミリーの結婚式の介添え人となったエイミス嬢は、大胆にも、花嫁を脅し、介添え人と花嫁の交換をやってのけ、自分が花嫁として式に臨む。そしてベールに包まれた花嫁の実の姿を誰も見抜けず、結婚式は進行し、ファティゲイ氏が気づいた時には、式は無事終了し、法律上チンパンジーのエイミス嬢はファティゲイ氏の妻となる。しかしその事実に気づいたファティゲイ氏は烈火のごとく激怒し、エイミス嬢を家から追い出してしまう。その後、生活力のてんでないファティゲイ氏は見事に落ちぶれ、路頭に迷いながら倒れてしまうが、それを救ったのが、ささやかながら堅気な暮らしを自ら築き上げていたエイミス嬢。彼女の献身的な介護によってファティゲイ氏は無事救い出される。エイミス嬢宅で暮らしながら、一体全体何が起きていたのか、ようやくわかったファティゲイ氏は、結局彼女を妻とし、再びアフリカの地に戻るのであった。めでたし、めでたし・・・・

奇想天外、奇妙奇天烈な風刺小説と云われても、花嫁衣裳の中身が人間かチンパンジーかわかるだろ・・・とそんな現実的なことをいっちゃあ、いかんのだろうか?さらに、介抱されていたファティゲイ氏に事の真実を語るエイミス嬢は、人間の言葉は理解するが、話すことができないので、すべてをタイプライターを必死に叩き、それを読むことで事の真実を知るファティゲイ氏。情景を想像すると、かなり笑ってしまうのだが、それは不謹慎なのか?

婚約者のエミリーが見事に典型的な意地悪娘で、対するファティゲイ氏がこれまた典型的なダメ男で、じゃあ、可憐で知的なエイミス嬢が苛め抜かれるシンデレラ風なのかというと、う~~ん、それもなんか違うような。。。最後の最後で再びアフリカの地に戻り、そこで大歓迎を受ける二人だが、ダメ男ファティゲイ氏は、結局文明社会で生きるタイプじゃなかったのね、と納得しつつ、知的なエイミス嬢がなぜこんなダメ男に献身的に尽くすのかが全く理解不能だった私としては、序文=西脇順三郎、跋文=安岡章太郎 の説得にも納得できず、とりあえず読了。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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