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我らの罪を許したまえ

ちょっと気恥ずかしくなるようなタイトル。でもローマ教皇を巡る中世の物語にどうも弱い私。ヒエロニムス・ボスの絵が表紙を飾る。

4309908624我らの罪を許したまえ
ロマン・サルドゥ 山口 羊子
河出書房新社 2010-05-14

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1284年の冬、南フランスの司教区で、司教が何者かに惨殺される。シュケ助任司祭は殺人事件の真相を調べるため、謎に包まれた司教の過去を求めてパリに旅立つ。時を同じくして新しく着任した司祭アンノ・ギは、布教活動を立て直すため、呪われた村に潜入し、村人に正しい信仰をとりもどさせようとする。いっぽうローマ教皇庁には、不祥事を起こした息子を救うため、高名な騎士が現れる。別々に進行するこの3本の軸は、はたして何処につながっていくのか?中世の深い闇と幻想。古い裁判記録が語る、消された歴史とは何か…。やがて読者は、予想もつかない恐ろしい結末へと導かれる。

450ページを超えるちょっと厚めの本ながら結構スラスラと読める。さすが15カ国に翻訳されたベストセラーだけある。ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」の言及があるコメントもあったが、いやいやそれはちょっと違うかな。どちらかと云えば、「ダヴィンチ・コード」のようなエンタテイメント要素が強い気がする (だから中世カトリックの話しながら格段に読みやすい)。処女作で見事大ヒットのこの作品を書いた1974年生まれのロマン・サルドゥは演劇の下地があるらしい。中世を舞台にしていながら、結構、脳内映像が浮かぶので、映画化を念頭において描いたんじゃないかと思うが、どうなんだろう?

「薔薇の名前」のようなくら~~いマニヤックな雰囲気はなく、中世といいながら登場する司祭や教皇関係者たちが、どうにも人間臭いところがミソ。1974年生まれの若者が書くのだから、まあ、エーコみたいな執拗なくどさにはならないのか、さらりとしているところが今っぽい。私はエーコのもういいよ・・・というくどさ、読みにくさを恐れつつも期待したのだが、その期待はいいのか悪いのか、裏切られた。

3つの話しが交差しながら展開し、最後はそれが繋がっていくのだが、前半のもったいぶった進み方から、後半テンポが上がるにつれて、ちょっとテンポが速すぎ、チョンってな終わり方なのが残念だが、まあ、エンタテイメントと、当時の(いや今もか・・・) 胡散臭い陰謀だらけのローマ教皇内部事情は、やっぱり面白のよね。
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