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アラビアン・ナイトメア

引越し前に読み終わっていたが、書く暇なく、今に至る。あ~あ、何だかあまり思い出せない。本は、先日行ったブックフェアで入手したもの。まだ読んでいない『文学の冒険』シリーズだったので、迷わず買っちまった。

4336035865アラビアン・ナイトメア (文学の冒険シリーズ)
ロバート・アーウィン 若島 正
国書刊行会 1999-09

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15世紀のカイロ。奇怪な悪夢病が蔓延し、様々な陰謀が渦巻くこの都市に到着した巡礼団員バリアンは、もう一つの重大な任務を担っていた…。千一夜物語の世界を舞台に、夢と現実が錯綜するミステリアスな迷宮小説。

アラビアンナイトに引っ掛けているだけあり、見事な入れ子構造。途中までわかっていたはずが、途中からすっかり誰の話で、誰がしゃべっているんだが迷ってきた。ロバート・アーウィンは中世史が専門の学者だそうで、単なる御伽噺以上の、時代背景がある、が、らしい・・・としか私には云えないんだなあ。秘密の任務を担うバリアン(一応主人公か?)、謎のイギリス人ヴェイン、眠りの館で力をふるう”猫の父”、娼婦ズレイカ、不潔な語り部ヨル、あたりが主な登場人物だが、彼らが入れ替わり立ち代り現われ、入れ子で語るものだから、迷子になる。一番の問題は、今誰がしゃべっているのか、わからくなってしまうこと(あら、私の頭が悪いのか?)

カイロに仏国王の密偵としてやってきたバリアンが、奇妙な悪夢に悩まされるようになる、というのが大きな流れ。彼が眠りにつくたびに、不思議な夢を見、夢から醒めるたびに、鼻と口から血が吹き出す。その頃舞台のカイロでは、『アラビアの悪夢』の噂で持ちきりなのだが、この『アラビアの悪夢』とは、寝ている間に極度な苦痛を伴う夢を見るのだが、目が覚めるとその悪夢のことは、全く覚えていないという悪夢。悪夢を見た本人が目覚めた時には、覚えていないのだから、自分がその悪夢に取りつかれているかどうかだって、本人もよくわからないわけで、誰が患者なのかもわからない。

とはいえ、このバリアンは、何だか主人公のフリをしている割には、影が薄い、いや、キャラが薄い。誰が面白いかって、それは、人猿を連れた不潔な語り部ヨルと眠りの館で不気味な力をふるう眠りの師”猫の父” だな。なぜ青年が猿になってしまったのかを語るヨルの説明の複雑さ、いやいや、説明の下手さが何とも可笑しい。

中世史が専門の学者の描いた15世紀のカイロは、熱気と湿気のただよう炎天下のカイロではなく、どこまでいっても夜の物語。15世紀のカイロがいったいどんな時代だったのか、どんな王朝の時代だったのか、少しでも知っていれば面白いのかも。途中挟まれるデイヴィッド・ロバーツの挿絵はなかなか魅力的だった。
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