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動きの悪魔

国書さん、タイトルとTwitterでの煽りにすっかりやられ、買いましたよ、新刊で・・・
4336059292動きの悪魔
ステファン グラビンスキ Stefan Grabi´nski
国書刊行会 2015-07-27

by G-Tools

Stefan Grabi´nskiって誰?ってことだが、
1887年、オーストリア=ハンガリー帝国領ガリツィア・ロドメリア王国のカミョンカ・ストルミウォーヴァに生まれる。ルヴフ大学でポーランド文学と古典文献学を学び、在学中に作家デビューするが、卒業後は教職に就く。1918年に短編集『薔薇の丘』、1919年に連作短編集『動きの悪魔』を発表し注目を浴びる。短篇を本領とし、『狂気の巡礼』『不気味な物語』『火の書』『情熱』といった短編集を次々と出版した。ポーランド文学史上ほぼ唯一の恐怖小説ジャンルの古典的作家。1936年に死去。近年、国内外で再評価が進み、〈ポーランドのポー〉〈ポーランドのラヴクラフト〉として知られる。
ラブクラフトは読んだことがない。ポーか・・・あ~~とってもよくわかる。ポーだな。

音無しの空間(鉄道のバラッド)
汚れ男
車室にて
永遠の乗客(ユーモレスク)
偽りの警報
動きの悪魔
機関士グロット
信号
奇妙な駅(未来の幻想)
放浪列車(鉄道の伝説)
待避線
ウルティマ・トゥーレ
シャテラの記憶痕跡
トンネルのもぐらの寓話


知らずに読み始めたが、これら短篇はすべて鉄道の話し、鉄道怪談集となっている。鉄道の話し??だけで、1冊もつんだろうか?という心配をよそに、これがなかなかのいい作品たち。登場するのは、駅で働くひと、鉄道保守の人、乗客等々、彼らが揃いも揃って変人というか、異常な執着心を持っているというか、鉄道の魅力に取り付かれ、それが魅惑されているというよりは、一線を越えて強迫観念に取り付かれてしまっている。ほとんどといってよいほど、衝突事故や脱線事故が起き、人が死ぬ。無慈悲にもあっさりと大胆に殺してしまう。作者が作品から少し距離を置いた場所にいる冷静さが好きだ。

で、なんで鉄道なのよ。作品が書かれた1910年代は、鉄道網が世界規模で網羅し始めた時代だそう。いまでこそ鉄道はどこか郷愁をさそう乗り物になってしまったが、当時としては最先端の文明の利器であり、工業化のシンボル。そのシンボルをここまで不気味に仕立てる彼は、そこに脅威を感じているのか、はたまた、彼も登場人物と同様、鉄道に異常な執着心を持った変人であったのか??日常生活から突如展開される異次元空間は、常に不安定さを抱えて時代を超えてきたポーランドという国家とダブって見えてくる。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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