Entries

愛書狂

久しぶりにやってしまった。
こっちの「愛書狂」は白水社刊の単行本、↓はその文庫版。この手の本はめざとく買っている私が、おっ、未開の地発見!と即座にポチッたら、こんな結果になった。だが、再読もいいもんだ。

B014II6440愛書狂 (平凡社ライブラリー811)
ギュスターヴ フローベール 生田 耕作
平凡社 2015-08-27

by G-Tools

約4年ぶりの再読。この間、古今東西の愛書狂たちに慣れしてしまった私は、余裕で狂人譚を読んだ(ホホホ・・・) 生死を賭けた猟書家っぷりはさておき、書物というものの変遷をしみじみと感じた今回。低俗と量産の現代において、書物で身を滅ぼすようなことはもうそうは起きない。豪奢を極めた装幀技術の発達のおかげで、書物は貴族趣味の象徴だった時代、貴族にとって本は読むためのもの、ということでもなかったのかも知れない。でもそんな稀な書物を探し求めるビブリオマニアは、決して金に飽かせて本を漁る貴族ではなく、命を張って本を愛したのだな。が、そのビブリオマニアでも、本は読むものではなかった。それは造形的美しさや稀少性に価値があるのであり、ビブリオマニアは文学好きな輩ではない。鑑賞物としての書物、それは宝石や絵画だと思ったほうがいい。本が好きっていうのは、読書が好き、つまりそこを極めても活字中毒になるだけで、書痴だのビブリオマニアだのは、別世界の話なのである。そして今や、活字中毒患者はいるだろうが、書物を鑑賞としてとらえている人はそうそうないない。

私は新刊は清水の舞台から飛び降りる気持ちで買うわけで、通常は古本しか買わない。足を使った古書店巡りはしないけど(笑)、ネット上では古書巡りする。低俗と量産の産物は避けて通るような人間は少数派である。デジタル本が登場した現代では、ビブリオマニアは漁るものを奪われてしまう。そしてますます少数派になる。少数派でよいのだけれど、少数だからといって、絶滅してはいけない。

本書の篇と訳を担った生田耕作氏は偉大だったな。(それが今回の結論)
関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/638-469f839f

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - -
1 2 3 4 5 67
8 9 10 11 12 1314
15 16 17 18 19 2021
22 23 24 25 26 2728
29 30 31 - - - -

全記事

フリーエリア

フリーエリア