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両性具有

私のような下世話者が多いのか、『書物の王国』シリーズでこの『両性具有』は人気があったらしく、案外高かった。

4336040095両性具有 (書物の王国)
多田 智満子 バルザック プラトン グールモン ペラダン
国書刊行会 1998-03

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目次
アンドロギュヌス讃歌(ペラダン 倉智恒夫訳)
かのオルフェウスもいうように(多田智満子)
アンドロギュノスについて(プラトン『饗宴』 森進一訳)
サンギュリエ城(グールモン 倉智恒夫訳)
ムーラデーヴァと性転換の秘薬(ソーマデーヴァ『屍鬼二十五話』 上村勝彦訳)
両性具有(干宝『捜神記』 竹田晃訳)
狐(泉鏡花)
魔術師(谷崎潤一郎)
奉教人の死(芥川竜之介)
異説蝶々夫人(日影丈吉)
ルツィドール(ホーフマンスタール 高橋英夫訳)
ヘルマフロディトス(サマン 田中淳一訳)
女から男へ変る話(プリニウス 澁澤龍彦訳)
両性具有者エルキュリーヌ・バルバンの手記に寄せて(フーコー 浜名恵美訳)
あるスキャンダル事件(パニッツァ 種村季弘訳)
江戸の半陰陽(江戸時代随筆 須永朝彦編訳)
コントラルト(ゴーティエ 齋藤磯雄訳)
サラジーヌ(バルザック 野内良三訳)
ロメーン・ブルックス(澁澤龍彦)
双面(円地文子)
ふたなりひらの系譜(須永朝彦)
解題(須永朝彦)


私は過去どんなところでこの両性具有に出会ったんだろう?
「オーランド」 「Middlesex」 あ、あとブログにはないが、ポルポリーノ (1981年) (ハヤカワ・リテラチャー〈24〉)ドミニック・フェルナンデス 三輪 秀彦 B000J80U76も読んだことがある。

両性具有、アンドロギュヌス、半陰陽者、ふたなり。一般的なイメージや生物学的見地、神話、呼び名、解釈、実に様々。それを理想的ととらえる考え方から、否定的とみなす偏見までこれまた様々。古代ギリシャ、プラトンが『饗宴』の中で喜劇作家アリストファネスにこんな風に語らせているという。かつて男と女の他に両性具有者がおり、手足が4本ずつ、顔と性器も2つずつあった。ところが、神々に対して反逆を企てた為、ゼウスによってそれらを両断し、手足が2本ずつ、顔と性器が1つずつの2人の「半身」となった。それぞれが残された半身に憧れて結合しようと求め合った。そして元々男女であった男と女が互いの半身、すなわち男は女を、女は男を求める事になった。それが男女の愛である。両性具有というのは、古代神話の中では男でも女でもない、理想的な完全形の人間の姿として扱われていることが多々在る。そういえば、天使も男でも女でもない。が、女人禁制の世界では男に女役を代用させる。カストラートしかり歌舞伎しかり。

ここに登場するのは、必ずしも生物学的にいう両性具有だけではなく、男装/女装、変身、カストラート、神話世界と様々なのだが、以前によんだMiddlesexはどうにも痛々しかった。この中ではパニッツァの『あるスキャンダル事件』がそうなのだが、異端扱い、悪魔扱いから、理想的な人間の姿まで、ここまで極端に扱われ方が違うのというのもすごい。日常世界の外では人と異なることは肯定的に捕らえられ(役者の世界ではそれをよしとし・・・)、日常の中では異なるものは排他的に異端の存在。その徹底的に異端を排除するという悲しさに、私は眼を背け、古代ギリシャ神話だけを読んでいたいと思ってしまった。
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