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ダブリン市民

今では他の訳も出版されているけれど、私が読んだのは、新潮文庫のこの版。実家の本棚で埃をかぶっていたところを拾ってきた。私が買ったのか、妹のコレクションなのか、少なくとも私が読んだ記憶はない。
4102092013ダブリン市民 (新潮文庫)
ジョイス 安藤 一郎
新潮社 1971-10

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ジョイスの『ユリシーズ』 は死ぬまでに読もうリストにも入れていない。ましてや 『フィネガンズ・ウェイク』 などとても手は出せない。だからジョイスは私にとっては、一生読まない作家だったが(決め付けることもないんだが・・・)、短篇・文庫なら触るくらいは許そう。

ダブリンで生きる人々の生活を描いた全15編。暗い、いや本当に暗い。何か特別な事件も起きない日常と市井の人々が登場する。天気は常に曇りか雨がはたまた雪。緑の国アイルランドの欠片もない。アイルランドはその昔イギリス滞在中に行こうと計画をしながら頓挫した国。イギリスにいれば、アイルランド人に遭遇することも多々あり、何よりアイルランドを小馬鹿にしたジョークが多い。それがなぜかは日本人にはわからぬが、錚々たる文学者を輩出したアイルランドは絶対にその国土・風土がそれを生み出したのだと私は信じて疑わない。行きたかったなあ、アイルランド。

「ジョイスのダブリン、カフカのプラハ、そしてペソアのリスボン」
何度聞いても蓋し名言。ジョイスはその人生の大半を実はアイルランド以外で過ごしている。チューリッヒ、トリエステ、パリ、そんなコスモポリタンなジョイスが、作品となると徹底してアイルランドに根をおろしている。それは何故なんだ?しかも彼の描くダブリンは、退廃と停滞の街だ。

柳瀬 尚紀氏の新訳も出ている。アマゾンのレビューを読んでいたら、評価も高し。そもそもジョイスは言葉遊びや技巧を凝らすことで知られているので、訳者泣かせなのだと思うが、決して安藤氏を批判する気はないけれど、もちょっとこなれた訳なら、この未熟者の私にもダブリンの空気が味わえ、そしてあわよくば、『ユリシーズ』に手を出してもいいか・・・なんて気も起きるかも知れぬと妄想し、この柳瀬 尚紀氏の新訳版を先ほどポチってしまった。あ~あ、何してんだろ、私。。。
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