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文学会議

C'esar Aira は初めてだと信じて疑わなかったが、「わたしの物語」なる本で読んでいた。ピンクの表紙は覚えているが、3年以上前の本の記憶は、なんともあやふや。がどうも、拒絶反応が出るくらい強烈なものだったらしい。
4105901214文学会議 (新潮クレスト・ブックス)
セサル アイラ C´esar Aira
新潮社 2015-10-30

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実は「新潮クレスト・ブックス」シリーズはあまり好きではない(笑)。装丁は今時風で、単行本ながらソフトカバーというところは、◎なんだが、どうも口当たりがよく、サラサラと読んでみるものの、読み終わったあともサラサラと流れて残らない本にばかり当たって、結局手を出さないことにしてしまった。要は小奇麗で物足りないのだな。しかし煽り方がどうにも気になり、我慢しても仕方ないので、鉄則を破ることにした。

アイラがアルゼンチン最初のノーベル文学賞受賞作家になることを私は夢想する (カルロス・フェンテス)

エキセントリックな書き手だが、アイラは今日のスペイン語作家の中で最も優れた三人、もしくは四人のうちの一人だ (ロベルト・ボラーニョ)

** ボラーニョが慌てて付け足した一人は、いったい誰のことなんだ??

巨頭が二人登場するだけで、私は負けた。「文学会議」と「試練」の中篇二編。
「文学会議」は、作家で翻訳家、しかし影で”マッドサイエンティスト”を標榜するアイラが主人公。マクートの糸と呼ばれる財宝の秘密をとき大金持ちになり、世界征服を企み、クローン軍団を作ろうとする。そのクローンの頭となるべく天才を探していたが、白羽の矢をたてたのが文学会議に出席する文豪カルロス・フェンテス。終盤で突如、無数の巨大空色うじ虫が登場して度肝を抜かれる(いや、全く目が覚める)。カルロス・フェンテスのクローンじゃなくて、なぜ空色うじ虫なのかというアイラの解説が大笑いだし、この最大の危機をマッドサイエンティストがどう回避したかも、爆笑もの。

太っていることから鬱気味の16歳のマルシアが、突然、マオと呼ばれる少女から「ねえ、やらない?」と声をかけられる。マオと一緒にいるのがレーニンという少女。2人のパンク少女との訳のわからぬ噛み合わない会話が可笑しい。マルシアを愛しているという二人を最初は嫌がっていたが、次第に彼女たちに興味を抱くようになるが、どうしてマオがどうして自分を愛しているのかがわからない。その愛を証明すべく、試練をくぐるため、マオとレーニンはスーパーマーケット襲撃を行う。このスーパーマーケット襲撃は単なる強盗なんかじゃない。戦争映画さながらの大爆撃作戦なのだ。

どちらも、途中までは、ん・・・・何がそんなに、どこがそんなに、な展開なのだが、その後の展開はあっけに取られる。なんだが昔の怪獣映画みたいだ。天変地異かカタストロフか、というようなスペクタルになるのだが、ギャップがでか過ぎてちぐはぐで、でも「文学会議」も「試練」も夢を現実に、愛を証明、ときている。なんだか凄いものを見てしまった。この怪獣映画で、ノーベル文学賞を受賞してくれるなら、私は大歓迎だ。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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