Entries

日常に潜む宇宙的ワープの世界

16:30に社を出て、品川駅にて新幹線を待つ。贅沢な話だが、毎日新幹線に乗っていると、新幹線が山手線化してきて、それはもう私にとって旅行手段でもないし、当然晴れの日のお出かけ列車でもなくなる。
さて、冷蔵庫に残っているものを思い出しながら夕飯の献立を考え、Cookpadのお世話になりつつ、品川駅ホームでiphoneに没頭した。そして電車の乗り込む。めざとく席をゲット。そしてようやく献立作成を完了し、読書開始。と、新横浜に停車した後、話しかけられた。
「すいません、そこは指定席ですよね・・・・」
「・・・・・・」
車両の入り口を見上げると、「指定席」の表示。なぬ?とにかくすいません、と云って席を立ち、デッキに逃げて、よーく考えてみる。これは「こだま」じゃない。通常「のぞみ」を一本やり過ごしたあとに到着する「こだま」に乗り込むのだが、献立作成に没頭し、日常化した新幹線に緊張感もなく、私はやり過ごすはずの「のぞみ」に乗車したのだった。そして新幹線のぞみ号は、既に新横浜を発車していた。万事休す。

まさか、静岡あたりに停車する「のぞみ」ではないかと期待しつつ、震える手でiphoneを操作したが、次の停車駅は紛れもなく名古屋だった。到着は約1時間と30分のち。眠っていてい乗り過ごすとか、本に夢中になり降車を忘れるとかのレベルもここまでくると、頭がクラクラしてくる。ちょうど通りかかった女性の車掌さんを捕まえた。
「すいません・・・」 斯々然々
乗車券を見せてください、と云われたので定期をおずおずと差し出す。時刻表を取り出して調べようとしてくれたが、
「いや、時間はいいんです。それより料金の方は???」
こんなことをする人は私だけではないとは思うけど、こんな間抜けな人もいるだろうから、JR東海にはちゃんとルールがあって、こういう場合は証明書を発行してくれて、小田原ー名古屋間を往復無賃乗車できるらしい。つまり、間抜けな輩が間違えて乗車しちゃったから、切符がなくても通してやって欲しいという通行手形を”業務連絡書”として発行してくれる仕組みになっていた。長い道中、デッキでしょげているわけにもいかないので、自由席の車両を聞いて13号車からはるばる3号車まで、グリーン車両をつっきって進み、ようやく席についた。JR東海ルールで、急病人等の生命の危機を伴うような緊急事態ではなく、あくまで本人の我儘で止まらない駅に列車を停止させることができる人って誰だろう?(国会議員くらいでも無理なのだろうか?止めざるを得ないとしたら誰が承認するのだろう?)

とにかく父に今日は行かれなくなった、と電話を入れ(理由は伏せた)、まあ本でも読むかと本を読み始めたが、まだ動揺しているらしく、全然頭に入らない。がふと気づくと90ページ台を読んでいる。いや・・今朝の時点では50ページを過ぎたあたりだったはずだが?もー何が何だかよくわからなくなってきた。どっちにしろ、なんだかのれないまま開始してしまった本なので、道中も長いことだし、諦めて最初から読み直すことにした。いやその前に、名古屋到着後の復路の確認をしなければ。
名古屋着18:30頃、そこから小田原に帰るには、30分後に発車する「こだま」だと21:00頃になり、1時間後に発車する小田原に止まる「ひかり」だと20:30頃になる。不思議ではないが、なんせ動揺しているのでしばし混乱するが、まあそんなもんか、とようやく再び読書開始。

名古屋に到着。上り線ホームに移動しようと見上げると、腕時計が示している時間とと発車時刻が同じ「ひかり」がある。のっていいのかいけないのか、とりあえず走ると目の前でドアが閉まった。どうもこれにのると三島までは戻れたということが後でわかった。本日2度目の万事休す。ことここにおいて、ようやく腹が座ってきた私は、お腹が無性にすいてきた。さすが名古屋、ホームの立食いはきしめんうどんだ!思う人は多いと見え、そこには長蛇の列ができていて、速諦め待合室に向い駅弁を買った(駅弁って結構高いのね)。駅弁を食べきってもまだ30分もある。春の宵、ホームでも寒くないからとホームに向かいベンチでしばし名古屋駅前の夜景を眺める。名古屋ってほとんどきたことがない。よくある都会の駅前で、ここが名古屋と云われても、そうなんだと思うしかない。そもそも「のぞみ」に乗り込んでから、距離と時間の関係に翻弄されている。突然古代から現代にワープしたような気分だ。新幹線は90分の旅で約300キロメートル移動できる計算だ。普通の東海道線に乗ると80分で80キロメートルくらいしか進まない。17:00頃品川駅ホームにいた私は、20:30に小田原にたどり着いた。1時間の駅弁休憩で停止していた以外は、本人の意思と身体とは無関係に超速移動を続けていた。新幹線という文明の利器に感心するのではなく、余裕ができた帰路の「ひかり」では、勝手に宇宙的なSF世界を妄想していた。

恥ずかしいが貴重な失敗談は記録にとどめておいたほうがいい。ところで、動揺している最中に結局最初から読み直す羽目になった本は、これですよ。。。
sf
関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/675-5128dd6f

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - -
- - - - 1 23
4 5 6 7 8 910
11 12 13 14 15 1617
18 19 20 21 22 2324
25 26 27 28 29 30 -

全記事

フリーエリア

フリーエリア