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Angelica's Smile

シリーズ17作目。
あるWebsiteによると、Andrea Camilleri は既に、このシリーズの最終巻を書き上げていて、それは出版社で厳重に管理されているらしい。彼がもうMontalbanoに飽きちゃったか、何某かの理由で続行不可能になった場合、それが最後を飾ることになるらしい。彼だってもう90歳なのよね。考えたくはないけれど、あと何10年もこのシリーズが刊行され続けるというのは、さすがに難しだろう。でもそれまでは、どうぞ書き溜めておいてください。

1447249135Angelica's Smile: Inspector Montalbano Mysteries
Andrea Camilleri
Mantle 2014-06-19

by G-Tools

さて今回の事件は、金持ちを狙った盗賊団のお話し。その事件捜査はさておき(いつも事件はどうもメインストリームとは云い難い)、Montalbanoが被害者の中の一人に恋をしてしまうという事件がメインなのだな。その相手がAndelica。このAngelicaを一目見た瞬間に恋に落ちたMontalbanoなのだが、彼女は、ルドヴィーコ・アリオストの「 Orlando Furioso 」(日本語タイトルが「狂えるオルランド」)のヒロインの生き写しだったからで、10代の若い頃の彼の愛読書の挿絵(?)のヒロインが生身で登場したのだった。その「狂えるオルランド」って何?ってことだが、Wikiによると;
ルネサンス期イタリアの叙事詩。全46歌、3万8736行に及ぶ大長編。サラセン人の侵攻と戦うシャルルマーニュとパラディンの活躍を背景にオルランドの失恋と発狂、エステ家の起源が語られている。
この大叙事詩の中で、オルランドが恋するのが、Angelica姫なのだそう。後世明らかにこれを題材とした作品が書かれたり、オペラにもなったらしい。ヨーロッパでは有名な中世騎士物語のようだ。・・・・・って、日本人には悔しいが、あ----なるほど、にもならない。

Angelicaに恋をしたMontalbanoは捜査に全く身が入らない。少年のようにどうしようもなくAngelicaのことばかりを考えている。このシリーズで多少の浮気はあっても、ここまで彼が全身全霊で恋をした巻があっただろうか?ないと思うなあ。最初はそんな彼に反感に気持ちで一杯だったが、段々同情するほどにMontalbanoが哀しげになっていく。今回Montalbanoの右腕として大活躍するのは、データマニアのFazio。薄々その気持ちに気づいたFazioも、アンタッチャブルなこの恋には、戸惑っている。少年時代の淡い恋心そのままなんだなあ。食べることがことのほか好きな彼が、今回は拒食と過食を繰り返す。このAngelicaが被害者なのか、実は・・・・なのかが最後までわからなかった。そして犯人と彼女の悲しい過去が交差するエンディング。そうか、彼が惚れこむほどの美人は、被害者になっても純粋な加害者にはならないという王道だったのね。

WEBでつらつらレビューを見ると、いつものごとく可もなく不可もないようなコメントで、まあそんなものだろうと、私は気にもならない(だって、私は結構気に入ったし)。そして相も変わらず、大のお気に入りのCatarellaのシチリアなまり英語解読を試み(前より難解になった気がするが?)、時には声をだしてその通りに発音してみるという楽しみを味わっている。初っ端で、不機嫌なMontalbanoに電話をして、怒鳴られしょげるCatarella。Montalbanoから仰せつかると、大張り切りするCatarella。Montalbanoから褒められると、尋常ではいられないほど、狂喜乱舞するCatarella。あーどれも好きだあ。
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