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いやなことは後まわし

パトリス・ルコント監督によって映画化もされた「イヴォンヌの香り」の作者。「イヴォンヌの香り」は聞いたことがあったけど、Patrick Modianoの本はこれが初めて。いつもの古本屋で出会ってしまったので、お買い上げ。
いやなことは後まわしいやなことは後まわし
(1997/08)
パトリック モディアノ

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軽妙なコメディーかと思わせるようなタイトルながら(原題は、Remise de Peine 元々法律用語で”恩赦””特赦”の意味もあるが、”精神的につらいことを延期する”と解釈した翻訳家がこうタイトルをつけたらしい)、叙情的とでもいうのか、少なくとも明るい話しではないけど、好きな人ははまりそうな作風。1945年生まれだから現代フランス文学界の売れっ子というところか?

10歳の主人公ぼくと弟は、両親が家を留守にしているので(ここにも謎あり)、パリ近郊の母の女友達のところにあずけられ、そこに出入りしている様々な大人たちを見つめる。その大人たちは、ちょっと曰くありげだけれど(これも謎が多い)、優しく、そしてカッコイイ。そこには子供は蚊帳の外、という冷たさはないけれど、明らかに大人の世界があって、少年はそれを敏感に感じ取る。少年と弟は、近くにある城館への探検を試みたり、プレゼントにもらった電気豆自動車でどう遊んだらいいか悩んだり、秘密にしている水車小屋へ行ったりする毎日。ところがある日、その大人たちがみんないなくなり、警察が家を捜索していた…

はっきりは何も語っていないけれど、背景から察するにユダヤ人絡みの暗い時代の話なのか?重苦しさを予感させる結末だけれど、大人になった少年が子供時代を振り返りながらの風景や人物の細かい描写は、とてもノスタルジックで何ともフランスらしく、そして美しい。たぶんModianoの作品としては佳作の部類なんだろうけど(有名な賞も受賞している作家だし)、何ともよい感じの佳作。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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