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エッグ氏、ビーン氏、クランペット氏

再び、ウッドハウス。あちこちで適当にウッドハウスを買っていたら、そろそろ重複ものがでてきてしまった。「ユークリッジの商売道」と、ユークリッジものはちょっとダブっていたが、タブっていることに気づいただけでも、私としては凄い。ちゃんと覚えていたじゃない。

4336049513エッグ氏,ビーン氏,クランペット氏 (ウッドハウス・スペシャル)
P.G. ウッドハウス P.G. Wodehouse
国書刊行会 2008-04

by G-Tools

ユークリッジもの、ビンゴもの、マリナー氏もの、フレディーもの、の寄せ集め(笑)。
「ユークリッジとママママ伯父さん」
「バターカップ・デー」
「メイベルの小さな幸運 」
「ユークリッジのホーム・フロム・ホーム 」
「ドロイトゲート鉱泉のロマンス」
「アンセルム、チャンスをつかむ」
「すべてビンゴはこともなし 」
「ビンゴとペケ犬危機 」
「編集長の後悔」
「サニーボーイ 」
「元気ハツラツ、ブラムレイ・オン・シー」
「タズレイの災難 」


ウッドハウスをワンパターンと感じてしまう輩には、お薦めできない一冊。なんでもござれの私は、何度読んでも面白い。強烈な個性のユークリッジものは、ウッドハウスの中では、バンカラなキャラなのだが、一見、自分勝手で傍若無人に見える彼に対して、元学友たちは、歯に衣着せぬ嫌みを連発し、彼の金の無心を冷たくあしらうのだが、あしらわれてもあしらわれても、友達は友達なのね。。。いつも大金をつかみ損ねる彼は結局、最後は人がいいんだろうなあ。

さて、ジーヴスものからのスピンオフのようなビンゴもの。ビンゴはジーヴスものにも登場するバーティーのご学友。結婚後は、とんと姿を見せていなかったが、こんな巻で活躍していた。作家のロージーと結婚、そして今や一男の父。稼ぎは嫁に頼り切りで、本人は、隙あらば競馬に興じるというろくでも亭主だが、夫婦の仲は新婚ムードのまま、ダーリンだのハニーだの、仲睦まじい。よくできた嫁をもらったものである。だいたいウッドハウスの描く女性に、軟弱な女性はいない。ずばっとした物言い、バリバリと働く女性、両家の子女も大叔母様も皆が皆、爽快な豪傑だ。ユークリッジ氏は大のお気に入りだが、今回は、久しぶりの登場のビンゴからの一冊、「ビンゴとペケ犬危機 」に大賞をあげようと思う。ペケ犬は、もちろんペキニーズ犬。

ウッドハウスの面白さは、実は笑いの裏にある緻密な構成なんだろうと感じているこの頃。難しい言葉や古典の引用、えっ!な形容も、すべては緻密な構成のなせる技。こんな可笑しな話ばっかり書くには、四六時中プロットの事を考え、構成を考えていないとできなかったはずだと思う。そして出来上がった作品は、暗い時代にあっても、底抜けの明るさと爽やかさ。現実の悪も悲劇も何もない(それを物足りないと云う人は別だが)、純粋さ。だから純粋に面白いのだろう。
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