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宇宙探偵マグナス・リドルフ

Jack Vanceって誰?の私はSFには興味がない。SFから入るつもりはなくても、SFに行き着いてしまうことはあるが、Jack Vanceもそんな一人だ。どうも ”探偵” という言葉に弱い。それが宇宙探偵だなんて、しかもこの気味悪い(笑)毒々しい表紙にやられた。でもSF好きには神様のような作家らしい。1916年8月28日 - 2013年5月26日、つまり御年96歳まで生きた長寿のアメリカ人。
4336059209宇宙探偵マグナス・リドルフ (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)
ジャック ヴァンス Jack Vance
国書刊行会 2016-06-24

by G-Tools

ある時は沈毅なる老哲学者、ある時は知謀に長けた数学者、しかしてその実体は宙を駆けるトラブルシューター、その名もマグナス・リドルフ! 魑魅魍魎の異星人たちを相手に、白髪白鬚の老紳士マグナスの超思考が炸裂する痛快無比な宇宙ミステリシリーズがついに登場。奇習に彩られた惑星ココドでの合戦賭博を中止させるよう依頼を受けたマグナスが講じたアクロバティックな手段とは?代表作「ココドの戦士」の他、歓楽惑星のカジノ経営者の犯罪アリバイトリックを暴くために己の数学センスを駆使する「数学を少々」、閉鎖された空間〈ハブ〉で起きた殺人事件をめぐるフーダニットもの「とどめの一撃」など、ミステリからファンタジー、秘境探検に海洋冒険、さらにはハードSFまで、ヴァンスのヴァラエティに富んだ世界が堪能できる連作全10篇収録。

かなりぶっ飛びな探偵だった。そーか、これが噂のJack Vanceか・・・ 大当たりの一品だった。この後あと2作続くということなので、楽しみだ。

探偵と云う言葉に騙されたが、探偵は副業らしく、依頼があるとトラブルをやっつけるトラブルシューターが一応の肩書になるのか?白山羊髭にダンディな衣装に身を包んだ老紳士(装丁のイラストを眺めよ!)。見た目は温厚そうなのだが、解決するものの関わった人はみな悲惨な目にあう。馬鹿と悪党には容赦ない。本人はひどいことをしている自覚がない。と、こんな塩梅。頭がいいだけに、その報復は倍返しどころか100倍返し位の強烈さで、宇宙の異星人相手に容赦ない。そしていただくものはがっつりといただくという、正義感とは正反対のモティベーションで動くエージェント。

彼は懲りずに「手堅い」投資に失敗し、懐がさみしくなると、脳みそをフル回転させてカジノで大儲けする(数学者故、確率論はお手のもの)。頭が抜群に切れるのに、なぜ投資に失敗するのかがわからないが、使うお金も派手だから、頻繁に懐がさみしくなるようだ。兎に角彼の意地悪さは爽快だ。これっぽっちの同情もなく、冷酷非情なドライなキャラと、宇宙にうごめく怪人/怪獣/珍獣/珍人(???)との丁々発止のやり取りは、爆笑もの。悪漢以上に狡猾な探偵なんてそうそういるものではない。依頼を片づけると、その後の始末は一切せず、やりっぱなしでとっとと立ち去る。

訳者の酒井昭伸氏は大のJack Vance ファンらしく、ほとばしる愛情がよくわかるのだな。”快走”という言葉がぴったりの訳だった。

「ユダのサーディン 」が一番のお気に入り💛
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