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ムッシュ・マロセーヌ

Daniel Pennac2連発でいきます。もう少し暖めておくつもりだったけど、無性に読みたくなって読んでしまった。これが最後のマロセーヌシリーズ。このシリーズはどれもボリュームが結構あるけど、これは最高で481ページ、しかも2段組。普段ならこの重さにたじろぐけれど、これはちょいと違う。最後がすぐ来ちゃうのは嫌だからページがなかなか進まないが嬉しい。
ムッシュ・マロセーヌムッシュ・マロセーヌ
(2008/08)
ダニエル ペナック

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もう、なんだろう、このマロセーヌシリーズの魅力とは・・・出てくる人がみんな饒舌で、規格外で、独立独歩。起こる事件も思いつかないほどあり得ないし、大小いくつものエピソードのテンコ盛りは本当に濃い。伏線も多いけど(つまり枝葉が満載)、多いくせに結構しっかり張られている。キャラクターの作り方といい、ストーリーの展開といい、大河ドラマ風、分厚い古典の名作だってここまで濃くは作れないだろうし、大概中弛みするけど、これは笑いと哲学の混ぜ込み方も巧妙で、でも押し付けがましくなく、中弛みなしで、読書後の後味のよさは抜群。正直言えば、シリーズ全4巻のベストではなかったけど、そこはシリーズものなので、気にしない。でもこれは確実に4巻の締め、マロセーヌシリーズの集大成(として、意識して書いていると思える)。それにしても、最後のあんなオチってあるだろうか・・・無謀すぎて笑える。

自分でいることの幸せが、再び見つかるまで・・・・結局、幸せといはそういうこと。ほかの人間じゃなくてよかったと、満足できることなんだ。

透明性なんて、馬鹿げた概念さ。少なくとも、真実の追求にあてはめようとしても、まず効果はない。・・・人間の真実っていうのは、不透明なものさ。それこそが真実なんだ・・・・

不幸を呼び寄せるバンジャマン、そう自身で達観しているくせに、いつもその上をいく不幸が訪れる。それでも、人は生きていくっていうその肯定的人生観は、楽観主義や積極的なポジティブ思考、つまり頑張ればいいことあるさ、というウソ臭さではなく、どこか醒めたシニカルなもので、でも誰に期待するでもなくindependentに生きること、自分の大事なものだけはきっちり守ること、ただそれだけのことなのかも知れない。固い樫の木じゃなく、ヘナヘナの柳のしなやかさってとこか・・・ああ、そんな人間になりたい。
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