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骸骨考

以前に中欧の墓巡りというものに惹かれ読んだ「身体巡礼~ドイツ・オーストリア・チェコ」だったが、イタリア・ポルトガル・フランス編が準備中だということをその後すっかり忘れていた。最近雑誌「考える人」が休刊になったという記事を読んでいたら、このイタリア・ポルトガル・フランス編を見つけてしまった。なんだ、こっそり出ていたのか・・・ 

今月はのっけから私生活だけで息切れしそうだったので、読書が全く進んでいない。本が読めないというのは物理的に読む時間がないわけでなく、読む気分になれない、無理して読んでも目が上滑りする。間の悪いことに、Kindle for iPhoneでイギリス人の書いた、”あーーまさしくイギリス人”みたいな英語本を読み始めていたが、やっぱり難しい。イギリス人ジョークが理解できない。それでも読んでいるが蝸牛のようなスピードになってしまった。こんな時に養老先生の本なら、気持ちが少し晴れるかもしれないと、2冊平行読みしていたら、当たり前だが、こちらの本は早々に読み終えてしまった。

4104160083骸骨考:イタリア・ポルトガル・フランスを歩く
養老 孟司
新潮社 2016-12-22

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失礼ながら申せば、前回の「身体巡礼~ドイツ・オーストリア・チェコ」でもタイトルと内容のズレとでもいうのか、話しはあっちに飛び、こっちに飛び、そして道草を喰った挙げく、元に戻り、そして随所随所で大好きな虫の話しを挟み・・・という構成が、今回はさらにパワーアップされていて、まあ失礼ながら申せば、無茶苦茶である(笑)。書きなぐっているような様相なんだな(雑と云う意味ではないが、我儘し放題にはなっている)。そもそもこの本は、元々雑誌「考える人」の連載であったらしい。前回は私も真面目に感想を書いていたが、それも何だかなあ。。な気分だ。でも途中はハチャメチャに見えて、最後は案外ちゃんと締めている。そして、今になって気づいたが、読了後なんだがハッピーな気持ちになるんだな。適当、いい加減というのは、ちゃんと適当、いい加減にやると、たぶん快適でハッピーになるのかもしれない。そんな無茶苦茶ぶりだが、ネットで書評や紹介なんか眺めていると、みんなくそ真面目に哲学だの、生きるとは?とか書いているから、笑ってしまう。

さて、旅の目的は変わらず墓と骸骨で、イタリア・フランス・ポルトガルの納骨堂を訪ねている。しかし養老先生に積極的な意思はあまり感じられない。過去に訪問した納骨堂を再び訪れても、「覚えていないなあ」。また異様ともいうべき、整然と並べられた沢山の骸骨に囲まれた部屋にいても「特に云うことはない」。ここで問うのは、『意識』というものである。骸骨だから墓だから直接的に生きること、死ぬことをくそ真面目に延々と論じてはいない。

言葉は意識であるという。現代人の悪癖は「なにごとも理解でき、説明可能」だと思うことで、世の中筋が通らないことなど沢山あるが、筋が通っているように見せる、筋を通し続けることは、やがて実際とのかい離を招く。だが、多くの人は世の中は意識的にコントロールできると信じ、これこそが意識の「最悪の癖」なのだと養老先生は云う。自分の頭の中が混沌としていて、意識を定義できないのだが、情報というものは(言葉や出版等)意識から発している。が、意識中心の意識絶対主義の現代で、意識化出来ない感覚=身体が置いてきぼりになっていている。「情報」とは「時間とともに変化しない」もの。いうなれば固定化された過去で、その情報やら法律やらがどれだけ貧困になっているか、意識化出来ない感覚=身体が貧困になれば、意識も貧困になる。言葉が意識なら、言い訳三昧の世界は貧困の極みだね。

上手く書けないけれど、養老先生の云いたいことはだいたいわかる。身体というもの、五感も含め、人間の基本的なこと、食べること眠ること、体験すること、解明できなくとも存在するもの、そういったことを中心に据えると、可笑しな意識で構築されている世の中が少しましになるのかもしれない。

骸骨考って骸骨論じゃあないのね・・・と生きた人間を見て、死んだ人間を解剖して、その後の骨を眺めた果ての、生物としてどんどん弱っている人間の考察(ということか・・・) 書こうと思っていたことがまだあった気がするが、思い出せない。ああ、そうそう、アメリカは誤爆が多すぎるっていう指摘に、私は一票どころか、100票いれたい。
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