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The Thirteenth Tale

どこで探し出したのか記憶がないけど、【本の本】だから買ってしまったのだと思われる(表紙もこの通り)。父の古本屋で小さな頃から過ごし、アマチュア伝記作家となったMargaretが出会う超有名作家、Vida Winterの不思議な半生の物語。ミステリー仕立てで本が絡むあたり、ちょっと「The Shadow of the Wind」 に似たノリだけど、全編これ、イギリスって感じで(田舎の風景とか、ふる~~い家の描写とか)、ブロンテのJane Eyre(読んだことなし)が小道具に使われていたり、イギリス好きには魅力的な本。
The Thirteenth Tale.The Thirteenth Tale.
(2007/02)
Diane Setterfield

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A is for Austin, B is for Bronte, C is for Charles and D is for Dickens.
古本屋の娘は、こうやってお父さんに抱かれながら本でアルファベットを覚えていったらしい。これだけで感激してしまう。Margaretは生きている人間には興味がなく、既に他界したそれも人にあまり知られていない作家を掘り起こし、自らも静かにひっそりと生きているBookishな女性で、このアンチぶりが個人的には好感が持ててしまう。Vida Winterもその私生活は全くの謎で、煙を巻くように自らがつくったフィクションの半生だけが一人歩きし、でも死を覚悟した作家はMargaretに真実を語るので、自分の伝記を書いて欲しいと依頼する。何故Margaretなのか?Vidaは何故ようやく真実を語ろうと思ったのか?

この本はとにかく想像力が勝負。ヨークシャーの風景、外界から閉ざされた屋敷、その庭やライブラリー、登場人物の風貌、そんなものをどれだけ文字に囚われず勝手にたくましく想像できるか?ストーリーも比較的追いやすいし、わからないところをバンバン飛ばしても、わからなくならない(笑)。でも想像力なしには、面白さは半減すると思うなあ。全編どちらかと言えば暗くて、謎解き要素はあるけれど、どんでん返し的なドキドキ、ハラハラという感じではなく、Vida Winterが語る封印してきた過去の真実と平行して、Margaretが持つ自身の闇、周りを囲む人々の過去、精神に異常をきたした兄妹、双子、家政婦、庭師、家庭教師、幽霊等々、それら複数のストーリーが、抑制された緊張感とともに明かされていく、という展開。ということで、こんな言葉が登場する。
Everybody has a story......silence is not a natural environment for stories. They need words. Without them they grow pale, sicken and die. And then they haunt you.
最後が美しいのですよ。雪に閉ざされた田舎の屋敷にsnowdropが咲くのだけれど、他界したVida Winterの過去を受け継いだMargaretとその作家の最後の物語、彼女自身の人生が救われる象徴のようなシーン。

翻訳本は上下巻で¥3,600するらしいので、これは英語版がオススメです。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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