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歌う白骨 / オスカー・ブロズキー事件 

「オシリスの眼」の勢いで、「青空文庫」 を探してみた。そのうちの2冊、『歌う白骨』 と 『オスカー・ブロズキー事件』を通勤の隙間でサラサラと読んでみた。
紙の本はよければ、こちらですな(アマゾンは在庫ないけど)。

4861563151歌う白骨 (嶋中文庫―グレート・ミステリーズ)
オースチン フリーマン Richard Austin Freeman
嶋中書店 2004-12

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さて、推理ドラマ初心者の私が今回覚えたのは、倒叙(とうじょ) 英語にすると、inverted detective storyという手法。『オスカー・ブロズキー事件』は、この倒叙の手法を取り入れた最初の作品らしい。まずは、犯人の視点で事件の全容が語られ、章代わって、今度は探偵側の視点で同じ事件が語られる。読者は犯人は誰だかわかっているが、探偵が何に注目し、一見完全犯罪かに見える事件のどこに穴があるのか、等々を楽しむことになる。刑事コロンボがこの手法だそう(見たことないので知らなかった)。が、それよりも『古畑任三郎』がこれだとWikiで云われて、ああ、なるほどと思った次第。

が、正直申し上げて、推理そのものが面白かったかと云われると、それは「オシリスの眼」にはかなうまい。それにソーンダイク博士の存在も薄い。極めて薄いのだよ。推理ものの古典として重要な位置を占めているから、というのなら、一読するのもよかろう・・・ ソーンダイク博士は、科学捜査の先駆け的存在だけど、「オシリスの眼」では安楽椅子探偵だと思っていたら、彼は探偵七つ道具箱という携帯できる科学捜査ツールボックスを持っていて、それを抱えて事件現場にいくような探偵だった。この七つ道具がえらく気に入ってしまったし、ソーンダイク博士は老人ではないことも、今回至極納得した。

100年近く前に書かれた探偵小説の科学捜査に現代の常識を元にいちゃもんをつけても始まらないが、もっと昔は、犯罪や事件は悪魔の仕業のごとく云われて、教会が裁いていたことに比べれば、客観的事実と理論的実証による”推理”というものは、実に近代的思想だ。そして個性豊かなな探偵たちがこぞって世に現れた面白い時代だったのだろう。たぶん、奇癖が目立ち過ぎる探偵より、地味でも説得力のある推理ドラマを求めるなら、ソーンダイク博士はトップクラス。
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コメント

[C518]

う〜ん。Green さんメチャクチャ範囲が広いなあ😅食わず嫌いがあると言いながら。『奇跡なす者たち』もそうだけど、ここで紹介されなかったら一生知らないで終わってしまう作品・作家っていっぱいだなあ🤔
あ、コロンボは私全部見ましたけどね😄
  • 2017-05-25 20:32
  • mAr
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[C519]

範囲狭いですよ。メジャーどころはことごとく外してますから。
文芸書というのがまずマイナー、その中でも外国語文学がマイナー、そしてSFと推理小説を外したら、とってもとっても狭い世界しか残りません。。。

  • 2017-05-29 12:52
  • Green
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Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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