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悪党どものお楽しみ

Percival Wilde (1887年3月1日 - 1953年9月19日)は初。現代の方かと思っていたら、案外昔の人だった。基本は劇作家ですな。「クイーンの定員」にも取り上げられ、日本では江戸川乱歩も絶賛したというから、どんなもんかと思って買ってみた次第。なかなか心地よいユーモアだったなあ。

4480434291悪党どものお楽しみ (ちくま文庫)
パーシヴァル ワイルド Percival Wilde
筑摩書房 2017-03-08

by G-Tools

賭博師稼業から足を洗い、農夫として質実な生活を送っていたビル・パームリーが、ギャンブル好きでお調子者の友人トニーに担ぎ出され、凄腕いかさま師たちと対決。知識と経験をいかして、ポーカー勝負のあの手この手のいかさまトリックや、思い通りの目が出るルーレット盤の秘密をあばいていくユーモア・ミステリ連作集。新訳「堕天使の冒険」を追加収録した完全版。

【収録】
シンボル
カードの出方
ポーカー・ドッグ
赤と黒
良心の問題
ビギナーズ・ラック
火の柱
アカニレの皮
エピローグ
堕天使の冒険


ビルがカッコイイとネットでの評価はもっぱら大うけの様相。人は良いがかなり間抜けなトニーとのコンビは、よくある凸凹コンビながら、そこに可愛くて賢いトニーの奥さんも絡んで、なかなかのコンビネーション。時代は、アメリカの禁酒法時代で、そのヤバい時代には、博打は切っても切れない関係。

惜しむらくは、その古き良き時代のアメリカ色があまり滲みでてきていない(原文なのか翻訳なのか?)。思うに、それって一冊前に読んだのが、ウッドハウスだったからかも知れない。あの翻訳は、好みはあるにせよ、訳者が独自の世界を作り上げていて、脚色だってしちゃっているかもしれないが、でも楽しい。この『悪党どものお楽しみ』には、ちょっと色気が足りないのよね。。。

なんもかんも出来過ぎのビルが嫌みにならないのは、「シンボル」で語られた彼の暗い(?!)過去のせいかもしれない。賭博師の放蕩息子が絶縁状態の実家に戻るが、父は拒絶する。が父と勝負をして勝てば、家に戻ってきてもよいと云われる。この一篇だけに登場するビルの父は、実はビル以上にカッコイイのだ。だからビルがその後、農夫でありながら、いかさま達と対決し、そのいかさまをスマートに(スマート過ぎるのだ)暴くのも、納得してあげられるし、ちょっとおバカキャラのトニーをバカにしたような言いぐさも、許してあげる。

引き続きPercival Wildeを読んでみよう(英語のオリジナルはどのくらい難しいのだろう??)
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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