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一汁一菜でよいという提案

恥ずかしながら、2018年最初の読んだ本がこれ。

4766129547一汁一菜でよいという提案
土井 善晴
グラフィック社 2016-10-07

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恥ずかしいから言い訳する。
この正月もせっせとおせち料理を作った。今年の年末に自ら参考にするので、記録を残しておこう。
osechi2018 さて、今年は手を抜くことにした。去年はお重が2つあったが、ことしは1つ。但し、これは私と父が二人で食べていたバージョン。これに妹の子供たちが来るときだけは、肉モノをど~~んとプラスした。別々に煮ていたお煮しめは、筑前煮として一品になり、硬くて味が染み込むのに時間がかかる黒豆は白い花豆に替わった。でもそれ以外はひとしきり作った。私たちは1/3まで朝はお雑煮を食べる(買った餅も消化せねばならんし)が、今お節を作る人が少ないどころか、食べる人がそもそも少ない。飽食の時代にお節は人気ないのもわかる。
そして私はふと思った。”何で私は作っているんだろう??” 正直云えば、認知症の進んだ父だってもうお節でも何でも食事ならいいだろうし、姪っ子たちもお雑煮にはとんと興味はなく、肉や海老の御馳走があればいい。何となく”お正月らしい”イベント感を楽しむ年頃も過ぎてしまったようだし。

ということで、もやもやしながら本屋さんでこれを買ってしまった次第。料理は好きなので、本屋さんで外国語文学の棚に寄った後は、料理本のコーナーも覗く。でもネットレシピも充実している昨今、ほとんどレシピ本を買うことがなくなった。でも買わなくなった理由はそんな実践的なことではなく、昨今のレシピ本が私にとってはつまらないから。トレンドは、時短とインスタ映え。簡単で美味しいものは大切だし、手をかけるばかりが料理でもない。でもな、何だかつまらない。

一汁一菜でよいという提案は、ちょっと誤解を招くタイトルだ。これも何のことはない、見た目は昨今の時短料理の延長にある。でもそれはあくまで、販売戦略の問題で、土井先生が云いたいのは、もっと”食べる”ことの本質的な意味なんだろうな。一汁一菜でいいんだ!と云っているわけでなく、一汁一菜でもいいんだよ!と云っている。これはレシピ本ではなく、土井哲学の本と云った方がいい。でも土井先生、育ち盛りの子供らを抱えて一汁一菜の夕飯を出したら、きっとブーイングが起きますよ(笑)。もちろん毎日ではないにせよ、一汁一菜を手抜き料理ではないと思わせるのは、かえって大変じゃないかと、心配している私。ちょっと和食礼讃過ぎやしませんか(笑)、と云いたいところだが、総論では同意する。

毎日レシピを考えるのは大変だと世のお母さん方はいうそうだ。そうだよね、私もそうだった。安い旬ものを適当に買って、あるものから献立をえい!とひねり出すことができるようになるまでには、時間がかかった。そのえい!とひねり出すということと、一汁一菜でいいんだよ、というのは、根っこは同じ気がする。 正確な言葉は忘れたが、ステーキなどを喰って旨い!という旨さは、直接的でダイレクトな上手さ、和食の旨さは(美味さと書きたい!)は身体に染みていく美味さ。ハレの日に食べる御馳走と、ケ(褻)の日に食べる普段の食事は別物で、昔はこのハレとケの区別が日常の中にあったが、現代では薄れてきている。でもケの美味さというものが、そもそも家庭の味なんだと。。。

人生ここまで生きてきた間にそれこそどれだけのものを食べたのだろうと思うが、ようやく今になってそれはなるほどと思える。でも思えるようになるには、時間もかかる、歳もとれねばならぬ。ただね、ハレの料理もケの料理も、本質的なことがあったうえでの手抜きをしたいと思う私。地元の安くて美味しくて安全な食材を食べれることは幸せだけれども、それは簡単な場合とそうでない場合がある。そして本物は高くて手が出せず、ついついモドキを買って、段々モドキが一般化してしまう食材もある。お節を作るときは、ちゃんと昆布と鰹節で出汁をとるが、普段はインスタント顆粒出汁で済ませていた。今回、余った出汁で鍋や味噌汁と作ったら、味が違って驚いた。今更ながら驚き、ちょっとばかりショックだった。週末に1週間分の出汁をとって、冷蔵庫に入れておく。これが私の今年の目標。そしてなぜお節を作るのか?という疑問への答えだが、要は作りたいんだろうなあ、私。普段の料理で手をかけきれない憂さを晴らしたいのじゃないかと、そんな気がする。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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