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さびしい宝石

これを読んだ勢いで、第2弾にいってみました。Patrick Modianoは「モディアノ中毒」という言葉があるほど、人気があるらしい。「いやなことは後まわし」ではその辺りはわからなかったけど、今回はよくわかった。確かに好きだとなったら中毒性がありそう。フランス語の原作は La Petite Bijou<かわいい宝石>、これは母親が、主人公がまだ幼い頃につけたニックネーム。ちなみに装丁の写真は、見事なくらい本の話しと合致するのだけれど、有名なHenri Cartier-Bresson(アンリ・カルチィエ=ブレッソン) の写真。
さびしい宝石さびしい宝石
(2004/03)
パトリック モディアノ

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でも!私は中毒になりそうもない(笑) 日本で言えば誰だろう??村上春樹?吉本ばなな?結構今時の洒落た作風ではある。私が不完全燃焼してしまったのは、主人公の19歳の女の子テレーズに対して ”わかる、わかる” って気持ちがもてなかったから。現代社会の孤独、疎外感、希薄さ、それはわかる気がするけれど、私の中に響いてくるものがない、それって年齢のせい??と自分に不安になりながら読み続けていたら、不完全燃焼して終わってしまった。

テレーズの孤独感、ひとりでいられない怖さ、母親の断片的な悲しい記憶と、父の不在。話しはテレーズが地下鉄の駅で、12年前にモロッコで死んだはずの母親とすれ違うところからはじまる。元クラシックダンサーの母親は、テレーズのことはほったらかしで、モロッコに渡り死んだと聞かされていた。母親だという確信からではなく、母に似た存在をそっと、でも執拗に追いかけるテレーズ、でも接触は怖くて出来ない。そんなテレーズに親切に接してくれたのは、薬局の女性と外国のラジオの翻訳をしている男の子。でもこの二人の存在はどことなく曖昧で、要はこの本、テレーズが感情にまかせて書いた、独りよがり(?)な日記。一人称で書かれているから視点は常に彼女なんだろうけど、あまりにも近視眼的な私的な描写で、テレーズの心情だけが語られるから、彼女の人間関係、そしてその母親の実像さえもかなり曖昧。彼女の記憶だけが繰り返し、繰り返し綴られ、展開という展開もなく、物語という物語もない本。

以上、人気者が苦手の喰わず嫌いのコメントですが、あしからず。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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