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英語と英国と英国人

その名は知っていたが、そしておそらく、翻訳の2冊や3冊は読んでいるだろうと思うのだが、ずっとスルーしてしまった吉田健一氏が、突如湧いて出てきた(どこから湧いて出てきたんだか??)
こんな紹介をすると、とても失礼なのだろうが、とは云っても、彼の場合は枕詞のように”あの吉田茂の息子”と、紹介されてしまう。この本を読んだ後は実感としてよくわかる。それはとても失礼な紹介だ。

4061961772英語と英国と英国人 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
吉田 健一
講談社 1992-04-28

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1912年(明治45年)生-1977年(昭和52年)没。父の転勤に伴って、子供の頃は、中国、パリ、ロンドンに滞在、1926年(大正15年)日本に一旦戻る。ケンブリッジ入学は1930年(昭和5年)、翌年中退。その後東京アテネフランス入学。お家と家系を見れば、相当なボンボンで、相当な変人だったと、松岡正剛氏は書いていた。(松岡正剛の千夜千冊) 

タイトル通り英語と英国と英国人についての42のエッセイだが、英語なんて・・・の類は、きっと↑の松岡正剛氏のサイトを読んでもらえばいい。至極納得の言い分だが、あまりにレベルが高すぎて、納得はするけど、膝を叩いてそうそう、とは云い切れない。とはいえ、英語を話す日本人の似非ぶりをこき下ろすところは爽快だ(なんでも、英語を話していることを意識して、意識過剰になって話すヤツは、鼻がピクピクするらしい)。天邪鬼な云いっぷりといい、まさにボンボンで変人だったんだろうと思う。
英国と英国人についても、そうそうと膝を叩けるものもあるのだが、滞在しているホテルから、お付き合いしている階級まであまりにレベルが高すぎて、つまり、私なんぞは、吉田氏のような英国とは・・・を事前知識として仕入れて渡英したら、なんだ、庶民はまた別じゃん・・・と思った方なので、これはなんとも云えない。

と、ここまでは前置き。日本人が書いた日本語でありながら、読み始めになんだか違和感を感じた。1/3位で慣れたが、解説で柳瀬尚紀氏が書いてくれていて、ああ、そうか、と気づいたのが、吉田健一の句読点。これでも編集者に云われて増やしてはいたんだろうが、とにかく句読点がない、正確には異常に少ない。英語とフランス語が先行した彼は、ケンブリッジから戻って文士を志したが、”日本語の書き方がわからない”。ましてや句読点の打ち方などもっとわからない。もちろん、文字通り日本語が書けないわけではないのだが、ケンブリッジを中退してまで、故国に戻って彼がやりたかったことは、何だったのだろうなあ、という疑問とこの句読点はつながっているように思うのだが、どうだろう?言葉というものは、紙に書かれていようが、発している限りどこで息継ぎをするのかは、とても大事なことだったんだろうと思う。英国の詩を浴びるほど読み、暗誦した彼が、改めて母国語に触れた時の言葉の原始的な疑問であったのかも知れない・・・ と、1冊しか読んでいない私は、取りあえずこんな風に今考えている。

まずい・・・ 吉田健一はクセになる。
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[C576]

吉田健一。私の父が大好きで子供のころからよく名前は聞いてました。私自身は読んだことないけれど。
でも、アン・モロウ・リンドバーグの翻訳をされているのを読みました。翻訳だからなのか、句読点は普通にちゃんと、読みやすくありました(笑)ほかの人が翻訳したものあったGIFT from the SEAですが、吉田健一さんの方が文章がきれいだったのでそちらを買った記憶があります。
翻訳モノはやっぱり訳者によりますね。最近Antonio Tabucchiに凝っていて、それは別なページに書いたほうがよさそうですね・・・
  • 2018-04-15 17:46
  • mAr
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  • 編集

[C578]

お父様が吉田健一好きなんて、なかなか素敵です。
久しぶりにかなり執着していて、吉田健一モノを現在あさっています。ブログに登場する本はしばらく吉田健一になりそうです。

今彼の翻訳した本を読んでいて、句読点は確かに普通ですね(笑)

  • 2018-04-16 13:28
  • Green
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Author:Green
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