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ジーヴスと恋の季節

これは、吉田健一繋がり。嬉しいことに吉田健一氏はウッドハウスを読んでいる。そして英国の豪奢な朝ごはんについて、ウッドハウスの作品に言及している。え~~そうだっけ?と思いながら、久しぶりにウッドハウスの本を手に取ってみた。

4336049882ジーヴスと恋の季節 (ウッドハウス・コレクション)
P.G. ウッドハウス P.G. Wodehouse
国書刊行会 2007-12

by G-Tools

云われてみればなるほど、朝ごはん記述は何か所か登場していながら、ディナーはない、少なくとも、何を食べたとかそういう詳細はない。お茶の時間とサンドイッチなんかはある。そーか、これが英国上流階級の食生活だな。玉子にオレンジジュースに、キッパーに、トーストは絶対日本式の厚切りじゃなくうす~~いトースト・・・朝ごはんシーンには確かにそのメニューまでちゃんと描かれている。庶民代表の補足としては、田舎へ行けばB&Bでも所謂English Breakfastなるフルコースの朝ごはんが提供されるところも残っているだろうが、ロンドンあたりの庶民に手がでるB&Bでこれを期待してはいけない。兎に角、ロンドンのホテルはド高いし、これだけ払って、東京並み、もしくはそれ以下の狭い部屋しか提供されないことも多いと思う。そこにダイニングルームがあって、笑顔とともにEnglish Breakfastが提供されるなんてことは、昨今では希少価値だ。メシが不味いと評判の英国においても、このEnglish Breakfastだけは本当にすこぶる評判がよく、確かに朝ごはんは美味い。美味いが、一般庶民の朝がこんな風に始まると思うとそれは違う。ミルクティーと薄いトースト、もしくは、アメリカンなシリアル、以上だ。ウッドハウスの英国式朝ごはん使用方法は、美味いだけでなく、バーティーの云うところの、”どっぷりスープに首までつかった”状態から晴れて脱出したその暁にジーヴスが差し出す朝ごはん、これが大事で、これこそが、英国式朝ごはんをさらに輝くものにしてくれている。

このウッドハウスの描く世界は、吉田健一氏が述べていた英国の世界で、彼がウッドハウスを読んでいないはずはないが、吉田氏ほどイギリス文学に精通した文士であれば、ウッドハウスの作品に1ページに少なくも一ヵ所は登場する詩やシェークスピアからの引用は、彼を楽しませたに違いない。当たり前のことだが、私は邦訳を読んでいるので、丁寧に出典元はカッコ書きで記載されており、あゝそうなのね、と気づくが、そうじゃなかったら気付けない。キーツもコールリッジもテニスンもシェイクスピアもかすったことさえない。つまり、ウッドハウスを読んで、そのドタバタ騒ぎにキャッキャしてる程度ではダメで(笑)、シェイクスピアにニヤッとするレベルになって初めて、ウッドハウスを極められるんだな。吉田健一氏にはきっとそれが出来たはずで、それができる階級は、パブリックスクール時代に、漏れなく叩きこまれる詩の暗唱なんだろうが、これは階級によっては最低限の知的エチケットにみえる。

えっと、本題に関しても少々。
「ジーヴスと恋の季節」となっているが、これはジーヴスの恋物語でもバーティーのそれもない。4組のカップルの恋の行方と、それをどうにかしてやろうといういつものバーティーのお節介の話し。4組の組んず解れつのドタバタに加え、バーティーが学友ガッシーになり、ガッシーがバーティーになり、執事もついでにとっかえるというおまけつき。さらに叔母さん/伯母さんアレルギーのウッドハウスが今回、1つの館に5人の叔母さんと伯母さんを投入してきた。館の若き当主はそんな強力な面々に逆らえず、そんな情けない姿に婚約者が愛想を尽かす寸前だ。最後はシェイクスピアの「真夏の世の夢」のごとき、大団円を迎え、カップルたちは幸せになる。エンディングで、気弱な当主が毅然とした態度で、おば様方をシャットアウトするシーンはちょっと感動してしまった(その場にいたら、嬉しくて泣いてしまったかもしれない)。

久しぶりに読んだウッドハウスだが、このスピード感は他の本では味わえない。目が醒めるんだな。そして目が覚めたら美味い朝ごはんが食べたくなる。
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Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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