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怪奇な話

まだ飽きていない。

4122009472怪奇な話 (中公文庫 A 50-6)
吉田 健一
中央公論新社 1982-08-10

by G-Tools

短篇集ということでよいのだろうか?吉田氏、タイトルにあまり凝らないタイプとみえて、タイトルから想像する内容と実際の内容が大きくずれていて、あっけにとられた。どう見ても幽霊話しにしか見えないのに、否、実際に幽霊のようなものは登場するが、真夏の怪談話しでもなんでもない相変わらずの吉田節。その幽霊とやらも何の悪さもしないどころか、むしろ主人公をもてなし、イイことをしてくれ、御礼を・・・なんて考えたりする。 そして明らかな起承転結もなく、すべては淡々始まり、淡々と終了する。淡々と終了するのだが、最後はなんだかすっと腑に落ちるような不思議なエンディングだ。

山運び
お化け
酒の精

幽霊
老人
流転
化けもの屋敷
瀬戸内海


「月」と「化け物屋敷」が好きだな。

「化け物屋敷」は空襲で焼け残った一軒家に引っ越した男のはなし。自分しかいるはずのない家に、足音や話声やピアノの音が聞こえる。飼っていないはずの犬もいる。男はそれを家の一部として自然に(まったくもって自然に!)に受け入れる。そこには今という時は、過去も含めて今なのだという一貫した吉田氏の主張がある。

「月」はもしやと思い、ほぼ確信があったが、念のため書物の王国「月」をパラパラと開いたら、やっぱりあった。東雅夫氏がほおっておくはずはない。が、覚えていなかったのは不覚のいたすところ。

それにしても彼の作品では、よく登場人物がワープするのだが、ワープ元は神田古書店街で、ふと気づくとロンドンテムズ川河畔やパリを浮遊している。ロンドンとパリはいいとして、日本は神田なのね、とクスっとしてしまう。

句読点のないウネウネ文体にも慣れ、特に違和感がなくなってきたのは良いことだが、吉田健一ばっかり読んでいると、吉田健一の本しか読めなくなるんじゃないかと不安になってきた。こういう不安は始めてだ。ので、次回は休憩して少し吉田健一を離れることにした。
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