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隠し部屋を査察して

「ミステリウム」「パラダイス・モーテル」に続いて三冊目のエリック・マコーマック。今回は短篇集。そして解説は柴田元幸。お盆休みは13日から15日の三日間。何もしないと心に決めて、夕方父の所に行く以外は、本当に何もしなかった。で、何をしていたかというと本を読んでいた。通勤中の途切れ途切れ読書ではなく、が~~とまとめて読むのは久しぶりだ。家で一番涼しいエアコン下に、タオルケットを敷き、寝転がって読むのは何がいいのかと思って、肩の凝りそうもないこの本にしてみた。

4488504035隠し部屋を査察して (創元推理文庫)
エリック・マコーマック 増田 まもる
東京創元社 2006-05-20

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ひとつひとつは結構短い。
「隠し部屋を査察して」
「断片」
「パタゴニアの悲しい物語」
「窓辺のエックハート」
「一本脚の男たち」
「海を渡ったノックス」
「エドワードとジョージナ」
「ジョー船長」
「刈り跡」
「祭り」
「老人に安住の地はない」
「庭園列車 第一部:イレネウス・フラッド」
「庭園列車 第二部:機械」
「趣味」
「トロツキーの一枚の写真」
「ルサウォートの瞑想」
「ともあれこの世の片隅で」
「町の長い一日」
「双子」
「フーガ」


「パラダイスモーテル」と「ミステリウム」でおよそ作風はわかっていたが、今回は短篇集ということで、猟奇的でグロテスクで奇想天外のオンパレードだったが、この人よくこういうことを思いつくなあと感心した。エリック・マコーマックのいいところは、ドライでカラッとしていて、人間の内側のドロドロではなく、事象の奇想さであって、実際に時折ここまでやるか、と笑ってしまうこともある。そして、笑ってしまいながらも最後は決まって物悲しい。この発想はエリック・マコーマックにとっては遊びの精神から生まれてくるんじゃなかろうかと、私は勝手に想像している。教訓じみたものはない。このグロさを前にして云うのもなんだが、健全な精神があってこそのこのノビノビ感なのではないかと思っている。

この感じ誰かに似ているなあ・・・そうそう、コルタサルだ。お国の違いはあれど、コルタサルの短篇集を次から次へと読み耽るとこんな感じになった気がする。そして、最後の短篇「フーガ」の冒頭ににコルタサルの引用がある。マコーマックがコルタサルを素通りするはずはなかった。

奇想譚色々あれど、その良さ、否、好き嫌いは、どれだけ奇想が突飛かということではないような気がしてきた。思いもつかない展開で驚かされるだけだと、ただお腹一杯になるだけだ。では何だろう?後味か?マコーマックは1冊読むとややお腹一杯になる。コルタサルは腹八分目ってとこだな(個人比)。比較するのもどうかと思うが、星新一はまだまだいけるぞ、という気になる(笑)
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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