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アナーキストの銀行家

ペソアの英語版「The Education of the Stoic」に手を出したとき、彼の邦訳はもう金輪際読めないと思っていたら、新刊が出た。驚いた。が、よくよく考えてみれば、彼がトランクに残した膨大な遺稿はまだすべて整理されているわけじゃないらしいので、希望はあるってことに気づいた。

アナーキストの銀行家;フェルナンド・ペソア短編集
フェルナンド・ペソア
彩流社 (2019-06-18)
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短篇集なのだが、本当に短篇集だったので、更に驚いた。
独創的な晩餐
忘却の街道
たいしたポルトガル人
夫たち
手紙

アナーキストの銀行家


ペソアがはじめてではない人は少なからず驚いたと思う。だって、ちゃんとストーリーがあるじゃない。こういっては何だが、形を成している短篇だった。しかもちょっとシニカルで時に軽妙で、軽妙なんて形容詞をペソアの本に使うとは思ってもいなかった。しいて言えば、「忘却の街道」がペソアらしさを感じる一作。いや、ペソアらしさというのは、私が勝手に期待しているペソアだな。

と書いてしまうと、面白くなかったのかと思われそうだが、決してそんなことはない。が、一般的にいえば、佳作の域をでない。そもそもこの短篇は彼にとっての完成された作品ではなく、習作だったのかと、そんな気もするが・・・ ペソアを初めて読む人がこれを読んだら、その後に「不安の書」や彼の詩集をを読んで、どう思うだろう?そこで挫折されても困る。などと、余計な心配をしてみたが、ネットでググッてもペソアの「アナーキストの銀行家」の記事が余りに少なくて、最後はそちらにがっかりした。

「アナーキストの銀行家」は映画化されたらしい。二人の会話だけのこの短篇からどんな映画が生まれたのか、生み出せることそれ自体が凄い。私にはとても想像できない。
https://www.youtube.com/watch?v=wkBl4j063Xk
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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