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こわい話・気味のわるい話〈第3輯〉

この沖積舎の版は復刻版なんでしょうか?

壁画の中の顔 (こわい話気味のわるい話)

沖積舎
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調べ切れていないのだが、私が入手したのは、今はなき牧神社が1976年に発行した版でこちらの一番右側の第3巻。サイズは文庫より一回り大きい位で、ケースに入ったハードカバーの本。なかなか洒落た装丁。3冊並ぶと更にいい。アマゾンではもうこの第3巻は見つけられなかった。アマゾンにない本を持っていると、やったあ!という気分になる(笑)。

こわい話

平井呈一 編・訳というアンソロジーで、たぶんこの本を買ったのは、この中の何かが読みたかったんだろうけれど、それがどれだか何故だかは最後まで思い出せなかった。そもそも平井呈一は名前は存じ上げているが、今まであまり登場してこなかった。怪奇小説は敢えて選ぶほど得意ではない。ならどうして買ったんだろ?、この本。どの作家も初めて聞く(と思われる)名ばかり。

アーノルド・スミス 「壁画の中の顔」 
アーサー・キラ・クーチ 「一対の手」 
ジェイコブズ 「徴税所」 
シンシア・アスキス 「角店」 
ジェイムズ・レイヴァー 「誰が呼んだ?」 
ジョン・メトカーフ 「二人提督」 
R・ヒュー・ベンソン 「シャーロットの鏡」 
A・J・アラン 「ジャーミン街奇譚」 
アメリア・B・エドワーズ 「幽霊駅馬車」 
M・E・W・フリーマン 「南西の部屋」


怪奇小説という字面は馴染みがないとドロドロとした幽霊ものなんかを想像してしまうが、平井呈一くらいになると、怖いくらいではアンソロジーには採用してもらえない。所謂、怖いものは実際にない。気味が悪いというのも、科学的にはありえないという意味での気味悪さで、むしろ所々クスっと笑える人間の可笑しささえ含んでいる。玄人が選んだ奥の深い?幅の広い?奇想譚だった。

平井呈一は翻訳も多く手がけたが、今時の翻訳者はこういう風には絶対に訳さないだろうな、というよい意味での古臭さもよかった。
”この道さ行きやんすと、十文字に出るだで、・・・・・・・・ 牧師館の前へ出るがんす・・・・・”
”がんす”って聞いたのは何十年ぶりだろう。夏目漱石が I love you を「月がきれいですね」と和訳したという話は有名だが、昔の文豪たちの翻訳は、日本語として不自然であればおおいにアレンジしていたところが私も好きだ。翻訳は、翻訳された時点で、別の作品になるんだからね。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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