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輝く金字塔

折角、平井呈一「こわい話・気味のわるい話〈第3輯〉」を読んだので、彼が日本に紹介したArthur Machenを。但しこのバベルの図書館シリーズは翻訳は平井氏ではなく、南條竹則。平井呈一であれば、もう少し古めかしい訳になったかもしれないが、これはこれで読みやすい訳だった。バベルの図書館シリーズは大人買いして全巻揃えてしまったが、未読がまだある(忘れている訳ではないんだが・・・)

輝く金字塔 (バベルの図書館 21)
アーサー マッケン
国書刊行会

Arthur Machen 1863年 - 1947年。ウェールズ出身の彼は、20世紀の怪奇小説の大きな影響を与え、ラヴクラフトは後継者。怪奇小説というものにあまり手を出していない私は、ラヴクラフトは未知の世界だが、彼の土台にあるケルト文化は、「ペガーナの神々」で出会った。が、あちらはどこかのんびりとした神々の話だったが、マッケンは悪魔色が強くて、闇夜の世界にどっぷりと浸かる気分になる。

下記3篇、どれも唸った。
黒い石印の話
白い粉末の話
輝く金字塔

ボルヘスの序文によれば、Arthur Machenは”マイナー詩人”だという。その理由は、
苦心の散文で書かれた彼の作品は、詩作品のみがもつあの緊張と孤独を湛えているからである。
出だしから不気味。そしてその不気味さがどんどん加速して、その不気味さは途中で止めることができない不気味さ。ボルヘスの云う”詩”の意味は、詩を解さない私には何ともいえないところだが、”緊張と孤独”はわかる。加速した不気味さのオチは必ずしも明確ではなく、魔界の謎が残るような終わり方なのだが、「もう、そこまでで結構です」と私はいいたい。

Arthur Machenは没後に評価され、生前は傍流と呼ばれてもいいようなものであって、生涯の大部分を大英博物館にいりびたりで過ごし、誰も読まないような隠微な本を読んでいたらしい。ロード ダンセイニの神々の話の裏側には、マッケンが描く邪悪さが潜んでいる。原始の神話の世界の表と裏ということか・・・・
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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