Entries

書痴談義

いつも行く古本カフェで、タイトル見た瞬間にご予約しました。私は書痴という言葉にめっぽう弱い。編者後記にこうある。
「ジョン・カーター氏の洒落た辞典の定義によれば、<書痴>bibliophileとは、ただの本好きと異なり、<目にいささかの狂気を宿した>連中にして初めてこの称号を授けられる資格を有するものらしい。愛書狂(bibliomaniac)への距離は紙一重である。同じ本好きでも、アカデミーの殿堂にしかつめらしく鎮座まします学者先生方とは異なり、「ミューズ女神」の下着泥棒でもやらかしかねない、愚かしさが付きまとうところに、書痴の書痴たるゆえんがあるのであろうか。
万事計算づくめ、理屈づくめの世の中に、<書痴>ほど哀しくも可笑しい人種はない。」


書痴談義 生田耕作 編訳
書痴談義

”目にいささかの狂気”ですか。。。私は学生運動は当事者でもなく、フランス文学オタクでもないので、生田耕作氏は彼の翻訳本でしかお目にかかっていないけど、変なオヤジだったらしい。なんたって例えに出すのが ”ミューズ女神の下着泥棒” だしねぇ。京大教授ではあったけど喧嘩して辞めちゃった人だから ”鎮座まします学者先生方” とは明らかに一線を画した人だったんだろうけど、要は生田氏も書痴だったわけだ。

収められているのは、以下4篇。
「書庫の幻」ピエール・ルイス
「シジスモンの遺産」オクターヴ・ユザンヌ
「書痴談義」ジョルジュ・デュアメル
「アルドゥス版殺人事件」ローレンス・G・ブロックマン

書痴といえば以前の記事、「Chess Story」を読むきっかけになった「書痴メンデル」という短編。この短編に出会ったのがこちら↓
書物愛 海外篇書物愛 海外篇
(2005/05/10)
紀田 順一郎

商品詳細を見る
この本も本をテーマにした短編のアンソロジーで面白かったけど、さらに書痴を極めた、つまり書痴の称号を文句なく差し上げる書痴が登場するのが今回のこの本。「シジスモンの遺産」は「書物愛」でも読んだけど、もう一度読んでやっぱり哀しくも可笑しい話しだと再確認。但し、小生は凡人故、喜劇としか思えない。「書痴談義」に至っては、もう勝手にやっていろ!というほど。書痴という生き物は動物的な生命力がまるでない(笑)、つまり本を喰って生きていけなければ、生きていけないであろう、という種族。「アルドゥス版殺人事件」に至っては、殺人を犯しちゃうし。愛書家はAmateurと言うそうで、これはAmour(愛)なんだと。愛書家と蒐集家は一緒くたにしちゃいけない。

実は生田耕作「書痴」シリーズがまだ存在している。「愛書狂」 生田耕作 編訳 (1980年) この本はとっととAmazonでポチってしまった。本読みにとって「書痴」の称号を得ることは至高の極みなのかもしれないけど、哀しくも可笑しい書痴人生を垣間見た後、私はただの本読みでいい・・・と実感。
関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/85-a18ac148

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - -
- - - - - 12
3 4 5 6 7 89
10 11 12 13 14 1516
17 18 19 20 21 2223
24 25 26 27 28 2930
31 - - - - - -

全記事

フリーエリア

フリーエリア