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The Skating Rink

こちらに続いて絶賛売出し中のRoberto Bolanoを再び。Roberto Bolanoの作品をググると、邦訳された作品はさすがにヒットするけれど、それ以外は日本語サイトでは本当にヒットしない、つまり日本で彼の作品を読んでいる人がいない??私だけが知っている掘り出し物か、はたまた喰わず嫌いにしか好かれない変り種なのか?かなりいいと思うんだけどなあ・・・これは彼の初期の頃の作品。そう言われると、どこか若い(青い?)感じがある。
The Skating RinkThe Skating Rink
(2011/06/03)
Roberto Bolano

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実はBolanoの「The Savage Detectives」を読んだ時、何十人もの語り手が出てくるのだけど、最初その構成が理解できなくて混乱した。この語り手が複数というのは、実はそれより先に書かれたこの本で既にやっていたってことになる。同じ間違いを2度やるもので、今回も途中まで気付かすにどうも混乱するなあ、と思ったらそうだった(遅い!)そりゃ、混乱する、だって3人いるのにひとりだけだと思ったら、それはもう多重人格者か、時空をワープするタイムトラベラーだけだ。ということで悔しいけれど最初に戻って再開したら、あら?わかるじゃん。本を読んでいるくせに字面を読まず、好き勝手に想像力で読んでいることがここでバレる。

舞台はバルセロナ近郊の町Z。Remo Moránはチリ出身でZで商売をしている男。Bolanoの小説にいかにも出てきそうなピカレスク風な男。その友人でメキシコからきた詩人のGaspar HerediaはMoránに夜警の仕事を世話してもらう。そしてEnric Rosquelles、Zのお役人で心理学者、威張っているくせに情けないという所謂ちょっと嫌なやつ。彼がフィギュアスケーティングのチャンピオンの美しい女性Nuria Martíのめり込み、スペインオリンピックチームからドロップした彼女のために、横領して得た金で郊外の廃墟の屋敷にスケートリンクを作ってしまう。RosquellesとMoránは知り合いだが、お互い嫌いあっている仲。なのにそのMoránがNuriaとどうも付き合っている風。嫉妬するRosquelles。そしてそのスケートリンクで殺人事件が起きる。

殺人事件とその犯人探しは正直二の次。殺人現場の描写とか誰が殺したかはクライマックスじゃない。代わる代わる語る3人のナレータ、でもそれで謎が解けるとか、ストーリーが見えてくるというのではまるでなく、どこまでいっても3人の間には距離が感じられ、話が進むにつれむしろ彼らがバラバラに遠くに行ってしまうような、そして私は迷宮に連れて行かれるような心境になる。つまり犯罪小説にありがちなハラハラドキドキなどなく、言い知れぬ実態のない不安ばかりが強くなる。暗くて、不可解で、怪しく邪悪。正義とか道徳とか、そんなものはない。

Bolano節に酔ってしまった。今後日本で人気者になる前に(なるんだろうか???)未読作品を読破せねば。。。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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